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「三戦立ち」の要点

「三戦」で<統一体>をつくる
稽古で最も使用される三戦立ちについて、具体的に掘り下げて考察してみます。
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三戦立ちという姿勢で、「肩の力を抜き」「腹圧をかけ」「尻を締め上げて」「脇を締め」「拳を握り締めて」「構えをとった時」「息吹の呼吸をした時」に交感神経が研ぎ澄まされ、非常事態の態勢、つまり戦う姿勢となり、最も体の内外ともに力の強い形になります。

三戦立ちという姿勢で、「肩の力を抜き」「腹圧をかけ」「尻を締め上げて」「脇を締め」「拳を握り締めて」「構えをとった時」「息吹の呼吸をした時」に交感神経が研ぎ澄まされ、非常事態の態勢、つまり戦う姿勢となり、最も体の内外ともに力の強い形になります。

それは文字通り「三つの戦い」を示します。三方向「前と左右」の敵に対する強い立ち方という事です。

 三戦立ちという姿勢で、下丹田を中心として上半身と下半身を一つにまとめあげた状態を「統一体」といいます。

さらに上下だけでなく前後左右、体の外と中、身と心を一つにまとめることも含めます

 「上半身の脱力」を丹田へ落とし、「下半身の締め上げた力」を丹田にぶつけることにより統一された状態にします。これは「上虚下実」に繋がります。

 上半身の伸筋群(突く、押す動作)と下半身の伸筋群(蹴る、前に出る動作)が一致して行われるため、最大の力を出すこと(発力)が可能となります。

「上虚下実」  上半身の力を抜くほど下半身に力が入り、肛門が締まります。下半身を強く締めるには、強く深い呼吸を行います。そのために「息吹」を行います。

「課目」と「課題」

 下記の●は「課題」です。

 「課目(技)」には必要な「課題」があります。

その「課題」を少しずつ増やし、最後に「無意識」で全ての「課題」ができるように極めることが、基本稽古の目的です。

三戦の正確な足位置を決めます

●足幅、爪先の向きを正確にし、土踏まずをピッタリと床につけ、踵がぐらぐらしません

「足裏の意識」をつくります

●拇指丘を含む内足側に意識を置き、親指で床を掴み、足裏全体で立つ意識をつくります。必要な筋肉に力を入れる。

 大腿四頭筋の脱力による「膝の抜き」をします。

●必要な筋肉に力を入れます。

 足首、下腿三頭筋、大腿二頭筋 、腸腰筋脊柱起立筋群、広背筋・前鋸筋(脇の下)肘・手首

●腸腰筋の収縮と連動して背中の筋肉も収縮させます。

●同時に、大腿四頭筋(太股)、三角筋()、僧帽筋(首筋)等の脱力をします。

●大腿四頭筋を脱力したことにより、上半身の重みですっと腰が垂直落下します。

「膝の抜き」により自然と膝間が締まり、金的カバーも兼ねます。

 下半身にタメを持ち、柔らかく保ち、しなやかで強靭な脚腰を作ります。

●第三腰椎に緊張がある時に一番バランスがとれます。この条件は下半身、特に足の親指と内膝が締まっていることです。

天地を貫く、真直ぐな揺るぎなき「体軸」をつくります。

●なんとなく真っ直ぐではなく、身体意識で確固たる「体軸」を作ります。

●会陰を広げて引き上げ、仙骨を締めます。首を後ろに固定し脊柱を真直ぐに立てます。

●下記のABの統合力で背骨を制御する姿勢をつくります。

 A.「首の後ろ固定」 

 頭をまっすぐに起こし、首を後ろに固定します。背骨上半分の軸を制御。

 B.「仙骨の締め」 

 仙骨を前下方に入れ、肛門を前に向けるような動き。下半分の軸を制御。

※「仙骨」とは、背骨の腰椎の下にあり、骨盤中央にある逆三角形の骨。

上半身と下半身を繋げます。

 骨盤の中心で背骨を支え、下半身を制御している重要な骨。

揺るぎなき体軸を支える「下丹田」をつくります

●「仙骨の締め」及び会陰を広げて引き上げることで「骨盤底筋」と「腸腰筋」を収縮させ、骨盤と腰椎を固定します。

●下丹田を意識した逆腹式呼吸を行い、「肚」の身体意識をつくります。

これらの統合力で、上半身と下半身を身体意識で繋げます。

※逆腹式呼吸

 基本稽古で、腹から気合いを出して突き蹴りしていれば、自ずと体得する呼吸です。

1.肩を動かさずに胸全体に吸い込んだ呼吸を、一気に下丹田に落とします。

2.胎息(息を下丹田に留めて)して腹圧を高めたまま吐息
します。
3.吐きながら技を出すことで、「呼吸と動作」を一致させ、最大限の力を出せます。

重心落下点を意識します

●原則として、正立時は金的の真下に重心を落とします。

●動きに伴って、重心落下点を意識して制御します。「不安定な安定」

●「三戦」の型として動く場合は、肘を膝の真上に置き、重心は体内でなく両肘の真下あたりに置きます。決して居着きません。

●武道としての立ち方は「銅像」のように塊として固定された居着いた立ち方ではなく、「曲芸の玉乗り」のような制御して立ち、どちらにも動き出せる居着かない立ち方を目指します。

三戦立ちから「技の意識」に繋げる要点(コツ

仮想敵の「正中線」と自分の「正中線」をむすんだ「正面」をたてます

●お互いの正中線を結んだ仮想の平面「正面」を身体意識でつくりあげます。

 狙う急所の正確な位置を意識します

●ピンポイントで急所を狙う意識。点で点を攻撃する意識。

 視線は水平に、正面を見て、視野全体を観ながらゴルゴ13になった気分で見ます。

8に向かう軌道を身体意識でつくります

●「肘の意識」をもって、肘の軌道が一直線になるように腕を使い、脇の締まった突きにします。

 「拳足の固め」を意識します

●正しい「武器(正拳・手刀・中足・足刀・背足など)」を作り、正しい「当て方」を意識します。

 「手の意識」をつくり、「チンクチ」をかける

●腕が肩からぶら下がるように、肩を下げて、肩甲骨を外に広げます。

●三戦立ちの腕は、拳は肩の高さにし、手首関節を真直ぐにし、肘関節は直角に曲げます。

●「チンクチ(肩口を胴体に固定する)」をかけて肩の遊びをとります。打撃に強くかつ自由になります。

●両肘を内側に寄せ、脇を締めて、小指が上になるように前腕を捻ります。

 骨盤と肩の動きの一体化します

●「体の固め」。肩と腰を固定して、捻らずに胴体をーつのボックスとして順体で使います。

●骨盤の動きを無駄なく、肩・拳(蹴りの場合、膝・足先)に伝えます。

●足裏から腰、腰から背中、背中から肩、屑から肘、肘から指の先まで力を繋げます。

●アウターマッスルの筋力に頼らず、「チル(腱・すじ)インナーマッスル」を使います。

 意識と力の伝達経路を意識します

●足裏→膝→腰→脇→拳に至る身体意識と力の伝達経路をつくります。

●「受け」は、手で払おうとするのではなく、肩甲骨で払うという意識でやります。腕は力を伝える道具でしかありません。

●「蹴り」は、「骨盤」特に「仙骨」の使い方を意識します。「肛門」を蹴りの方向に向ける意識を持つと腰の力を使って蹴ることができます。

 正しい引き手を意識します

●手首の骨を肋骨に付けることで、脇が自然に締まります。肩甲骨を内に閉め、肘を背骨に引きます。

●突くのではなく「引き手」に意識します。「突き」の時、引き手を腰の力でしっかり引きます。

しっかり引くと肩甲骨の甲羅の部分が動きます。これは「広背筋」という体の中で一番大きな筋肉と繋がり、広背筋は、腰とつながり、腰を使って肩甲骨から力が出てきます。突きや受けにおいても、肩甲骨から動かします。

●肩の力みをなくした無駄のないタメをつくる。

 上記の要項を守りながら、動けるようにします

●身体意識で確固たる「体軸」の意識を作って動きます。

●動いても軸が上下左右にブレず、重心を制御して、円滑に前後左右に動きます。

 「早度」を上げます

●号令を間いた瞬間には、すでに当っているような等速度運動による「―拍子」の技をつくります。

※等速度運動とは、初動から終動までを同じ速度で動きます。「消える動き」の要となります。

この動きは、動き始めの気配がない「一調子の動き」と不可分です。

 「ヨッコラショ」「セェーノ」という「二拍子」の動きをなくします。

 日常的な動きや一般的なスポーツの動きは、初動から段々とスピードを上げてゆく加速度運動です。

 身体をロスなく、完璧に操る「型」にはめます

●戦闘時においても、最高の精神状態「不動心」を保てるように、それぞれの「身体意識」を統合させ、確固不抜の心技を極めます。それは文字通り「三つの戦い」を示します。三方向「前と左右」の敵に対する強い立ち方という事です。

 三戦立ちという姿勢で、下丹田を中心として上半身と下半身を一つにまとめあげた状態を「統一体」といいます。

さらに、上下だけでなく前後左右、体の外と中、身と心を一つにまとめることも含めます。

 「上半身の脱力」を丹田へ落とし、「下半身の締め上げた力」を丹田にぶつけることにより統一された状態にします。
これは「上虚下実」に繋がります。

 上半身の伸筋群(突く、押す動作)と下半身の伸筋群(蹴る、前に出る動作)が一致して行われるため、最大の力を出すこと(発力)が可能となります。

「上虚下実」
 上半身の力を抜くほど下半身に力が入り、肛門が締まります。下半身を強く締めるには、強く深い呼吸を行います。そのために「息吹」を行います。

「課目」と「課題」
下記の●は「課題」です。
「課目()」には必要な「課題」があります。
その「課題」を少しずつ増やし、最後に「無意識」で全ての「課題」ができるように極めることが、基本稽古の目的です。

三戦の正確な足位置を決めます
●足幅、爪先の向きを正確にし、土踏まずをピッタリと床につけ、踵がぐらぐらしません。

「足裏の意識」をつくります
●拇指丘を含む内足側に意識を置き、親指で床を掴み、足裏全体で立つ意識をつくります。

必要な筋肉に力を入れる。
大腿四頭筋の脱力による「膝の抜き」をします。

●必要な筋肉に力を入れます。
足首、下腿三頭筋、大腿二頭筋 、腸腰筋脊柱起立筋群、広背筋・前鋸筋(脇の下)肘・ 手首

●腸腰筋の収縮と連動して背中の筋肉も収縮させます。

●同時に、大腿四頭筋(太股)、三角筋()、僧帽筋(首筋)等の脱力をします。

●大腿四頭筋を脱力したことにより、上半身の重みですっと腰が垂直落下します。

「膝の抜き」により自然と膝間が締まり、金的カバーも兼ねます。
下半身にタメを持ち、柔らかく保ち、しなやかで強靭な脚腰を作ります。

●第三腰椎に緊張がある時に一番バランスがとれます。この条件は下半身、特に足の親指と内膝が締まっていることです。

天地を貫く、真直ぐな揺るぎなき「体軸」をつくります。
●なんとなく真っ直ぐではなく、身体意識で確固たる「体軸」を作ります。

●会陰を広げて引き上げ、仙骨を締めます。首を後ろに固定し脊柱を真直ぐに立てます。

●下記のABの統合力で背骨を制御する姿勢をつくります。

 A.「首の後ろ固定」 
頭をまっすぐに起こし、首を後ろに固定します。背骨上半分の軸を制御。

 B.「仙骨の締め」 
仙骨を前下方に入れ、肛門を前に向けるような動き。下半分の軸を制御。

※「仙骨」とは、背骨の腰椎の下にあり、骨盤中央にある逆三角形の骨。

上半身と下半身を繋げます。
骨盤の中心で背骨を支え、下半身を制御している重要な骨。

揺るぎなき体軸を支える「下丹田」 をつくります

●「仙骨の締め」及び会陰を広げて引き上げることで「骨盤底筋」と「腸腰筋」を収縮させ、骨盤と腰椎を固定します。

●下丹田を意識した逆腹式呼吸を行い、「肚」の身体意識をつくります。

これらの統合力で、上半身と下半身を身体意識で繋げます。

※逆腹式呼吸
基本稽古で、腹から気合いを出して突き蹴りしていれば、自ずと体得する呼吸です。

1.肩を動かさずに胸全体に吸い込んだ呼吸を、一気に下丹田に落とします。

2.胎息(息を下丹田に留めて)して腹圧を高めたまま吐息します。

3.吐きながら技を出すことで、「呼吸と動作」を一致させ、最大限の力を出せます。

重心落下点を意識します
●原則として、正立時は金的の真下に重心を落とします。
●動きに伴って、重心落下点を意識して制御します。「不安定な安定」

●「三戦」の型として動く場合は、肘を膝の真上に置き、重心は体内でなく両肘の真下あたりに置きます。決して居着きません。

●武道としての立ち方は「銅像」のように塊として固定された居着いた立ち方ではなく、「曲芸の玉乗り」のような制御して立ち、どちらにも動き出せる居着かない立ち方を目指します。

三戦立ちから「技の意識」に繋げる要点(コツ)
仮想敵の「正中線」と自分の「正中線」をむすんだ「正面」をたてます

●お互いの正中線を結んだ仮想の平面「正面」を身体意識でつくりあげます。
狙う急所の正確な位置を意識します
●ピンポイントで急所を狙う意識。点で点を攻撃する意識。
視線は水平に、正面を見て、視野全体を観ながら、ゴルゴ13になった気分で見ます。
8
に向かう軌道を身体意識でつくります
●「肘の意識」をもって、肘の軌道が一直線になるように腕を使い、脇の締まった突きにします。
「拳足の固め」を意識します
●正しい「武器(正拳・手刀・中足・足刀・背足など)」を作り、正しい「当て方」を意識します。
「手の意識」をつくり、「チンクチ」をかける
●腕が肩からぶら下がるように、肩を下げて、肩甲骨を外に広げます。
●三戦立ちの腕は、拳は肩の高さにし、手首関節を真直ぐにし、肘関節は直角に曲げます。

●「チンクチ(肩口を胴体に固定する)」をかけて肩の遊びをとります。 打撃に強くかつ自由になります。
●両肘を内側に寄せ、脇を締めて、小指が上になるように前腕を捻ります。
骨盤と肩の動きの一体化します
●「体の固め」。肩と腰を固定して、捻らずに胴体をーつのボックスとして順体で使います。
●骨盤の動きを無駄なく、肩・拳(蹴りの場合、膝・足先)に伝えます。
●足裏から腰、腰から背中、背中から肩、屑から肘、肘から指の先まで力を繋げます。
●アウターマッスルの筋力に頼らず、「チル(腱・すじ)インナーマッスル」を使います。
意識と力の伝達経路を意識します
●足裏→膝→腰→脇→拳に至る身体意識と力の伝達経路をつくります。
●「受け」は、手で払おうとするのではなく、肩甲骨で払うという意識でやります。腕は力を伝える道具でしかありません。
●「蹴り」は、「骨盤」特に「仙骨」の使い方を意識します。「肛門」を蹴りの方向に向ける意識を持つと腰の力を使って蹴ることができます。
正しい引き手を意識します
●手首の骨を肋骨に付けることで、脇が自然に締まります。肩甲骨を内に閉め、肘を背骨に引きます。
●突くのではなく「引き手」に意識します。「突き」の時、引き手を腰の力で しっかり引きます。
しっかり引くと肩甲骨の甲羅の部分が動きます。これは「広背筋」という体の中で一番大きな筋肉と繋がり、広背筋は、腰とつながり、腰を使って肩甲骨から力が出てきます。突きや受けにおいても、肩甲骨から動かします。
●肩の力みをなくした無駄のないタメをつくる。
上記の要項を守りながら、動けるようにします
●身体意識で確固たる「体軸」の意識を作って動きます。
●動いても軸が上下左右にブレず、重心を制御して、円滑に前後左右に動きます。
「早度」を上げます
●号令を間いた瞬間には、すでに当っているような等速度運動による「―拍子」の技をつくります。
※等速度運動とは、初動から終動までを同じ速度で動きます。「消える動き」の要となります。
この動きは、動き始めの気配がない「一調子の動き」と不可分です。
「ヨッコラショ」「セェーノ」という「二拍子」の動きをなくします。
日常的な動きや一般的なスポーツの動きは、初動から段々とスピードを上げてゆく加速度運動です。
身体をロスなく、完璧に操る「型」にはめます
●戦闘時においても、最高の精神状態「不動心」を保てるように、それぞれの「身体意識」を統合させ、確固不抜の心技を極めます

*三重 長谷部師範の文章を抜粋